外国人が驚く日本の賃貸「礼金」
こんにちは。不動産好き・引っ越し好き・インテリア好き、ライフスタイルアドバイザーのミカです。

今回も、もはやシリーズ化してしまった感がありますが、元彼のイギリス人から学んだ外国人が日本に来て驚く賃貸物件にまつわる日本の常識について、実体験を交えてお伝えします。

 

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東京でお部屋探し!外国人が驚く日本の賃貸「礼金」とは

賃貸物件探しの条件として、「家賃」「立地」などがありますが、「初期費用」も見逃せないポイントの1つです。

そもそもですが、「礼金」って同じ日本国内でも馴染みのない地域の方もいらっしゃると思います。

北海道札幌出身の私も、「礼金」あり物件にはあまり出会わずに生きてきました。

札幌ですと「礼金」ありなのは、人気エリアの築浅物件か、ハイクオリティの分譲賃貸物件くらいの印象です。しかし2年以上住まないと「敷金」が返金されないということはありました。また「更新料」もありません。

「敷金」「礼金」「前家賃」「仲介手数料」「火災保険料」「鍵交換費」「清掃料」「家賃保証料」「引越代」などが「初期費用」と言われますが、今回はその中の「礼金」について調査しました。

礼金とは

大家さんへのお部屋を借りる「お礼金」として支払います。”お礼”ですので退去時に返金されることはありません。

 

お礼金をお礼を受け取る側が設定するというシステムに若干違和感を覚えますが、それ以上に地域差について気になったので由来も調べてみました。(諸説あり)

礼金の由来①

関東大震災後に家屋の倒壊や火災などで、住む家を失った人が多く、家を借りたくても空きが無かったときに、優先して借家を貸してくれた大家さんに対し、お礼として支払ったお金が礼金の始まり

 

礼金の由来②

高度成長期の時代、東京へ単身上京する学生の親御さんが、下宿などの大家さんに対し、「息子を宜しくお願いします」という意味を込めて送ったお礼金という説

引用:敷金・礼金の歴史

意外と「礼金」の歴史は浅いようで、由来①ですと関東大震災(1923年)後なのでここ100年程度ですし、由来②の高度成長期ですと戦後1954年頃からと言われていますので、まだ65年程度です。

2つの説から察するに、元々は金額は決まっておらず、借主が他者よりも利益を享受したい時や感謝の気持ちを表したい時に、陰でこっそり渡していたようなニュアンスです。

また、由来は関東圏に関するものしか見つけられませんでした。

慣習が制度に形を変え、全国に広まったのかもしれません。

 

外国人だけじゃない!?日本人も知らない「礼金」の全国格差

「初期費用」の「敷金」「礼金」、実は全国共通ワードではないことはご存知ですか?

関西圏では「保証金」「敷引き」という言葉が使われていて、入居時に「保証金」を払い、退去時に「保証金」から「敷引き」が引かれた残金が返金されます。

つまり以下のようなイメージです。

「礼金」=「敷引き」

「敷金」=「保証金」−「敷引き」

日本国内でも違うのですから、外国人が日本国内で引越しをすると本当に戸惑ってしまいそうです。

2017年の全国平均では、「礼金」あり物件の割合は54.5%、「礼金」あり物件の設定月数は平均1.36カ月でした。

私の出身地札幌の「礼金」平均は0.17ヶ月、「礼金」ゼロ割合は83.0%ですので、馴染みがなかったことに頷ける結果でした。

引用:全国の賃貸マンションの初期費用共同調査結果

 

賃貸の初期費用「礼金」は奥が深いかもしれない

今回は海外の「礼金」事情を調べる前に、元彼のイギリス人に「礼金ってなんなの?」と聞かれた時にうまく答えられなかったことを反省しつつ、日本国内のことを調べてみました。

比較的新しい制度なのに由来も諸説あり、全国での扱いも様々で、中々奥が深い結果となりました。

次回Part2では、海外の事情をお伝えしたいと思います。

 

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