LGBTs

【実体験】LGBTsがシェアハウスで困ったこととは?ーーライフスタイルから住居を考える

トランスジェンダー
どうも、空衣です。FtMパンセクシュアルであり、現在家探し中です。

実は自分は、男性ホルモン注射で日々女性から男性化している最中です。この記事を書いている時点では、まだ女性専用シェアハウスに住んでいます。
その家の契約期間中にここまで治療が進むのは予想外でした。個人的にはうれしいのですが、住人としては困ってしまうところもあります。

ちなみに三年前は、学生寮の女性スペースに住んでいました。
住み始めてからLGBTsとしての自覚を持つ機会があり、それからは「家に住んでいる」だけでムズムズ落ち着かないという体験をしました。
手続き大丈夫かな、周りの人との関係は大丈夫かな、など不安が湧いてしまったものです。
今回は、そのような当事者の悩みを共有していくことで、多くの人にとって住みやすい住居とは何かを考えていきたいと思います。

・「Xジェンダー・トランスジェンダー男性が女子寮に住んだ実体験」
・「レズビアンが女子寮で隣部屋の女子に惚れてしまった話」
・「トランスジェンダー男性・女性が女子寮/男子寮に住んだとき」
を紹介していきます。

「共同生活の場を性別で分けなければ、このようなことは起きないのに」と思う反面、性別で分けなくてもトラブルが起きてしまったり、人と一緒に暮らすということは難しいことが多いのです。
LGBTsと一口に言っても、生き方は人それぞれですから、すべての人に当てはまる事例ではないかもしれません。
ですが、ここで実例を知ってもらうことで、LGBTs当事者やLGBTs大家さんに、”これから起こるかもしれないトラブルや課題”を想像するために、少しでも役立てば幸いです。

Xジェンダー・トランスジェンダー男性が女子寮に住んだ実体験

2018年7月、お茶の水女子大学がトランス女性の受験を2020年から認める、と発表しました。続いて2019年6月、奈良女子大学もトランス女性受け入れを発表しました。

トランスジェンダー学生の受入れについて – お茶の水女子大学
http://www.ao.ocha.ac.jp/menu/001/040/d006117.html

このニュースではトランス女性にフォーカスしているので、これから入学してくるであろうトランス女性の動向に注目が集まりそうです。
確かに、現在ほとんどの女子大はトランス女性を受け入れていませんでした。

しかし、実態として、トランス男性が女子大や女子校にすでにいるかもしれない、という可能性も忘れてはなりません。
私自身も似た状況のひとりでした。女子寮に住んでいるあいだに「性自認が女性ではなく、コミュニティーにもなじめていない」と気づいたのです。

はじめは自身が「Xジェンダー」だと考えました。Xジェンダーとは「出生時のわりあてや身体的特徴にかかわらず、男性でも女性でもない」という人のことを指します。
そうしたXジェンダーの立場で、『男性用』と『女性用』とハッキリ分かれた学生寮に住み続けるのには強い違和感がありました。
もちろん、寮生活でも個室が確保されていたので、プライバシーは守られていました。
自分の持ち物がちっとも女性的な物ではなかったので、周囲から不思議に思われることもあったかもしれませんが、特に干渉されることもありませんでした。

しかし、困ったこともありました。

・公衆浴場が男性用と女性用で分かれている。

誰かと鉢合わせたくないので、利用開始時間すぐの誰もいない時間帯を狙っていくか、ほとんどの場合は湯船に浸からず個室のシャワー室だけで済ませていました。

・ときどき集会があり、ふだんフロアが分かれている男女が一同に集うときは、合コンのようなノリになった。

「男子が女子を狙う」風潮ができあがっていて、その場に居づらい経験をしました。

・男女分かれているからこそ、恋愛の話題が多かった。

異性愛が前提とされる場では「ここにいる人たちは女性として、男性を好きになる」という共通認識ができていたので、日常会話がストレスになることも多くありました。

私がLGBTs向け不動産を探し出したのは、そうした居心地の悪さが膨らんできたからでした。

※余談ですが、IRISでもLGBTsフレンドリーなシェアハウスを複数紹介しています。よろしければご覧ください。
LGBTsフレンドリーなシェアハウス

レズビアンが女子寮で隣部屋の女子に惚れてしまった話

自分が女子寮で生活しているときに人づてに聞いた話ですが、レズビアンが女子寮で隣部屋の女子を好きになって告白したということもあったようです。
女子寮での恋愛では、好きになった方も、好きになられた方も、気まずくなってしまって、運営側も個人の事情に介入できず何とも苦しい事態となったそうです。

寮を男女別に区分するのは、「そもそも同性同士なら恋愛や性的な沙汰のトラブルが起こらないだろう」という想定が根強いためかと思います。
多くの共同生活の場では、恋愛や性愛について、異性愛を前提に考えられているようです。
「同性愛が存在しない」という無意識の前提がなくなるだけでも、関わる人すべてが柔軟に対応できたのではないかと思います。

トランスジェンダー男性・女性が女子寮/男子寮に住んだとき

ここまでは体験談にもとづいたお話でした。
最後に少しだけ実際にどのような課題が考えられるかという点に触れたいと思います。

トランス男性が女子寮に住んだとき

実際に自分の身に起きたことを例に出します。
・衣服がすべてメンズなので、他の人にはバレたくない。
 → 下着まですべて違うため、部屋干ししている状態を見られたくない。

・ホルモン治療を開始して声変わりした。
 → 共用スペースですれ違っても口をきかなくなってしまった。

・ホルモン治療を開始して生活リズムが変わった。
 → 食欲が増えすぎて夜中にキッチンを利用したり、眠すぎて昼間もずっと寝込んでいた。
 → 女性シェアハウスにいながら「男性になる影響で体調が悪い」と訴えるわけにもいかないので、ひとり暮らしの方が迷惑かけずにラクだっただろうと思ってしまった。

トランス女性が男子寮に住んだら

こちらは知人のトランス女性から聞いた話です。
・髪型の強制がある。髪を短くすることを強要されると生活にも悪影響が出てしまう。
 → 一部の男子寮は、入寮者に髪型の制限を設けることがあります。また、好きな服を自由に着ることができないし、男性的な骨格が目立ってしまってしんどい思いをしてしまうようです。

・女性的な格好をしていると怒られる。
 → なぜ他人の服装にケチつけるのか、個人的には理解できないところではありますが、男子寮では、服装に対しても強要されるケースがあります。

・男子寮にふさわしくないという理由で、退寮を迫られる。
 → 男子寮という空間の異質さを端的に表すような事例ですが、なんと家まで失ってしまったケースもあるそうです。

トランスジェンダーが男子寮/女子寮に住むのは大変

「女らしさ」「男らしさ」を強要してくる空間は、トランスジェンダーでなくても生活しづらいものです。
理想的な共同生活とは「余計な干渉はしないけれど、必要なときには頼れる空間」ではないでしょうか。

そのような空間が今後作られることを、自分自身、切に願っています。
また性同一性障害(GID)の場合は、戸籍変更によって名前や性別が変わる可能性もあります。公的手続きの面でも、寮側に柔軟な対応があるといいですね。

IRISはLGBTsフレンドリーな不動産業者です。様々なライフスタイルに合わせた物件のご紹介を承っております。お気軽にご相談ください!

—————–
◎この記事を書いた人・・・空衣
1996年、神奈川県生まれ。性別も住処も旅しています。

Page Top