ふつうのゲイ
どこにでもいるような普通のゲイが、東京で家を購入したときの体験談をお話しするシリーズの第4回目です^^

前回までの記事
ふつうのゲイが20代でマンションを買う話1(きっかけ編)
ふつうのゲイが20代でマンションを買う話2(モデルルーム巡り編)
ふつうのゲイが20代でマンションを買う話3(中古にきめた!編)

運命のマンションとめぐり会う!

前回までいろいろ悩んだ結果、中古マンションで探すことを決断しました。西日暮里の新築マンションを断った僕は、23区内の東エリアで築浅物件を探し始めました。東エリアにこだわった理由は、土地の値段が安くて通勤に便利だったからです。

全体的な傾向として、東京の東エリアは価格が低めであることが多いです。それは地盤が(比較的)軟弱であることが多かったり、下町特有の木造住宅密集地が多く火災時のリスクが高かったりすることが理由です。マンションを購入する場合は賃貸と違い、それほど簡単には手放せないため慎重に選ぶ必要があります。僕は物件を探す際に、「耐震設備が強固」で「火災に巻き込まれる危険」が少なく、「避難できる大通り」が近くにあり、「周囲の治安がいい」ことを条件として設定しました。また海抜0m地帯が多いエリアでもあるため、水害を想定して3階以上であることも重視しました。

ちなみに災害危険度を客観的に知るために、東京都都市整備局の「地域危険度マップ」も活用しました。
https://www.toshiseibi.metro.tokyo.jp/bosai/chousa_6/home.htm

また治安の良さは警視庁の「犯罪情報マップ」を参考にしました。
https://www2.wagmap.jp/jouhomap/Portal

これらの条件の中で、僕が実際に選んで購入したのはこのようなマンションです。

・価格3300万円
・2LDK(60平米)
・墨田区内
・最寄り駅から8分
・築年数15年
・中小デベロッパー
・比較的小規模なマンションの5階

↓間取り
間取り
↓リフォーム済みだったため内見時から普通に綺麗でした
部屋写真
部屋写真2

まさかの審査落ち!立ちふさがる住宅ローンの壁

前回は新築マンション(3420万円)の事前審査がOKだったため、3300万円の住宅ローン審査はおそらく問題ないだろうと気楽に考えていました。

比較サイトなどを見ると、ネット銀行は金利が圧倒的に安いため、まずはネット銀行で事前審査を申請。そして万が一審査が通らなかった場合の予備として、フラット35の中でも手数料が安い金融機関にも事前審査を申請しました。その申請時に「おそらく問題ないと思います」と担当者が話していたため、あまり心配せずに結果を待っていたんですが・・・結果は惨敗でした!

・ネット銀行・・・すぐに「NG回答」
・フラット35・・・本審査で「NG回答」

※フラット35とは?
「住宅金融支援機構」が住宅ローン債権の証券化の仕組みを使って提供する住宅ローンのことです。借りる人にとっては「住宅の価値を重視して審査してくれる、35年ずっと低めの固定金利で借りられるローン」的な立ち位置になります。フラット35は実質的な与信判断を「住宅金融支援機構」が行うため、金融機関側で行う事前審査は必ずしも参考になりません。

口コミでは「ネット銀行は審査が厳しい」という意見が一般的だったので、メガバンクや地銀にも審査を申請してみたんですが、どれもことごとく「お見送りさせていただくこととなりました」という回答で、正直かなり焦りました。

「中古」の契約ではほとんどの場合、契約時に手付金を払います。僕の場合は手付金として、すでに150万円を支払っていました。住宅ローンが通らなかったときは、これを返金してもらう特約(※)を結んでいるため、もし審査がダメでも2万円程度(印紙税など)を損するだけですが・・・「ここまできて購入できないなんてありえない!」という気持ちでした。
※この特約がないと「住宅ローン」に落ちても手付金が戻ってこないので注意が必要です。

銀行から聞いた住宅ローンの裏事情

もちろん「銀行が貸せないようなハイリスクな借り入れはすべきじゃない」という意見はあると思います。しかし、そもそも彼氏と二人で返済する予定でしたし、もし仮に別れて1人になっても十分払えるレベルの返済額だったので、僕の中で「諦める」という選択肢はありませんでした。

そこで新築マンション(3420万円)のローンでOKを出してくれた銀行に、「どうして今回は審査結果がNGなんでしょうか?」と思い切って聞いてみました。通常、審査の結果について質問しても「総合的な判断です」としか回答してくれないのですが、担当の方が下記のような裏事情を教えてくれました。

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新築マンションではよく「提携ローン」というかたちにしています。今回は中古マンションであり、提携ローンではありません。提携ローンではない場合、物件の価値よりもお客様の収入に対する信用を元に総合的判断をしています。しかし提携ローンの場合は、物件の価値を業者が担保するという「信頼」が上乗せされた上での判断となります。そのため提携ローンかどうかで、審査結果が変わるということがよくあるんです。
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このような裏事情を教えてくれた銀行員の方には大感謝です(笑)

おかげで提携ローンとそうでないローンには、大きな違いがあることがわかりました。そこで僕は作戦を立てました。ありとあらゆる人脈を駆使して、通常と違う「信頼」を上乗せできるローンを探すことにしました。

(つづく)

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◎この記事を書いた人・・・石野大地

住宅購入