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渋谷ではゾンビやマリオ、スーパーマンなど、さまざまな仮装の人たちで盛り上がっていますが、そんな渋谷の一角で同性婚について考えるイベントに参加してきました。EMA日本(イーマニッポン/Equal Marriage Allianceの略)が主催のイベントで、男女平等・ダイバーシティセンター「アイリス」にて行われました。

▼日本での同性婚について考えましょう!(NPO法人EMA日本)
https://emajapan.org/news/event/1961

今回はイベントで話された話題を中心に、同性婚について考えてみました。

結婚の2つの側面とは?

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そもそも結婚とは何かという話になりますが、同性パートナーとの結婚が認められることには大きく2つの側面があるそうです。

ひとつは「社会的な承認」です。これは周囲から祝福してもらえたり、家族としての付き合いだったり、愛し合うことが認められたリ等、2人がお互いにパートナーとして認め合うだけでなく、社会的に2人の関係を認めてもらえるという面です。

またもうひとつは「法律上の効果」です。税金の控除や扶養、相続、社会保障、義務など、金銭的な問題も含めてさまざまな権利や義務が法的に発生します。それらの中にはたとえ結婚できなくても、公正証書を作成すればクリアできるものもあります。しかし公正証書の作成には費用もかかるし、配偶者控除など結婚でなければ得られない権利もあります。

このように2つの視点から考えると、単に「好きな人と結婚したい」というシンプルな想いに付随して、同性婚にはさまざまな着眼点があることに気付かされます。

同性婚の国際的な流れ

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世界には同性との結婚が認められている国や、結婚に順ずるパートナーシップ制度をもつ国があります。世界で最初に認められたのは、1989年に同性パートナーシップ制度ができたデンマークです。その後12年を経て、2001年には世界で初めてオランダで同性婚が法的に認められたそうです。

最近では2017年6月30日にドイツ下院において同性婚の法制化が賛成多数で可決され、これで法的に同性婚が認められたのは23ヶ国になりました。同性パートナーシップ制度も合わせると、世界で約50ヶ国ほどの国で同性パートナーが認められていることになります。これらの国の人口を合わせると、世界の人口の16%程度に相当するそうです。

また法的に認められるステップには、「立法」と「司法」の2つのパターンがあるそうです。「立法」は法案をつくり、それが国会で承認されることによって法制化されるパターン。また「司法」は、裁判において同性同士の婚姻を法律が認めないのは違憲であるという判決がくだされるようなパターンです。台湾の場合は後者で、2017年5月24日に司法院大法官会議にて同性婚を認めない民法は違憲だという判決が下されています。

ちなみに同性婚が認められた国では、同性カップルの1~3割が子どもをもつというデータもあるそうです。日本でも同性婚が認められると、子育てをする同性カップルが珍しくなくなるかもしれませんね。

日本国内の流れ

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日本では渋谷区にはじまり、世田谷区や三重県伊賀市、兵庫県宝塚市、沖縄県那覇市、北海道札幌市など、全国の自治体にパートナーシップ制度の導入が広がっています。岐阜県関市や福岡県福岡市なども検討中であり、今後も広がっていくことでしょう。しかし法制化はまだ進んでいません。

日本でも、過去にパートナーシップの法案が国会で議論されたことがあるそうです。司法の場での判例はあまりありませんが、日本人のパートナーと20年以上暮らしてきた台湾人の男性が入管から国外退去を求められたことから、提訴して闘っているという事例もあります。

▼日本での在留を望む、台湾人の同性パートナー
https://douseikon.net/?p=1437

現在日本の1人当たりのGDPはOECD加盟国中20位ですが、日本より上位の19ヶ国はいずれも同性婚や同性パートナーシップ制度を有しているそうです。日本での法制化も、そう遠い未来でもないかもしれません。関心のある方は、ぜひEMA日本のWebをチェックしてみてください。

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◎この記事を書いた人・・・池澤廣和
これまでアート、デザイン、web、マーケティング、雑誌連載、大学講師など幅広い仕事をする一方で、LGBTsの映画祭を福岡で企画したりしてきました。IRISのホームページではLGBTs関連の記事を書いたりしているので、随時ネタを募集しています!

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