先日、新宿2丁目にあるコミュニティセンターaktaで、大木裕之監督と数年ぶりに再会しました。彼は東京大学の建築学科出身で、ゲイの映画監督であり、現代美術作家としても活躍しています。各地の美術館やギャラリーで作品を展示している大木さんは、今回約10年ぶりにaktaで展示していて、再会したのはちょうどその最終日でした。

●大木裕之

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大木裕之さんの映像作品は一風変わっています。普通の映画のような明確なストーリーがあるような作品ではありません。彼がたまたま出会った人や場所、出来事、そして彼が起こしたアクションによって派生する風景やつながり・・・そうした断片的で抽象的なイメージが、時間軸をもつ映像の中で重層的に織り交ざっています。

【参考】
『Last City』
『松前君の兄弟の神殿の形 1’』
『心の中』

Last City ラストシティ Last City ラストシティ

ノマド的に各地で撮影を続ける大木さんには、制作や展示を通してつながった知り合いやコミュニティが全国にあります。2丁目も、彼にとってはそんな場所のひとつです。aktaの展覧会が終わった直後、大木裕之さんと2丁目の交差点で座り込んで話していると、偶然通りかかった知り合いに「う●こちゃん!」と大木さんが呼びかけていました。数年ぶりに会ったというその方は、以前は2丁目で働いていて現在はサラリーマンをしているんだとか。

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もう6年前になりますが、福岡で大木さんにインタビューをしたことがあります。彼がギャラリーで作品を上映する際に、公園で撮影しました。要所だけをつないだダイジェストですが、きっと大木裕之さんのイメージが伝わるのではないかと思います。空の色が暗くなっていく様子から、私たちがいかに長い時間をかけて話していたかがわかるでしょう。笑

▼【参考】大木裕之ACTION
https://www.as-tetra.info/archives/2010/100927183343.html

ちなみに今年の夏は福岡市美術館の展覧会と、あいちトリエンナーレに参加される予定とのこと。今まさに制作をしているらしく、どんな作品が展示されるのか楽しみです。

「クロージング/リニューアル特別企画展 歴史する! Doing history!」
2016年8月2日 – 8月31日(福岡市美術館、福岡)
https://www.fukuoka-art-museum.jp/jc/html/jc03/fs_jc03_tokubetsu_x16_0802.html

「あいちトリエンナーレ2016」
2016年8月11日 – 10月23日(愛知県内各所)
https://aichitriennale.jp/artist/okihiroyuki.html

また最後になりますが・・・実は数年前に、大木裕之さんから「Last City」のオリジナル編集版のDVテープをいただきました。しかし再生機器が手元になく、大切にしまったまま一度も再生せずにお蔵入りしています。どこかで上映する機会をつくりたいのですが、いずれ遠くない未来に・・・笑

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◎この記事を書いた人・・・池澤廣和
これまでアート、デザイン、web、マーケティング、雑誌連載、大学講師など幅広い仕事をする一方で、LGBTsの映画祭を福岡で企画したりしてきました。IRISのホームページではLGBTs関連の記事を書いたりしているので、随時ネタを募集しています!