10月29日(木)の午後、ちょっと驚くニュースが耳に飛び込んできました。それは、ライフネット生命が「死亡保険金受取人の指定範囲を拡大し、同性のパートナーを受取人に指定できる」ようになったという発表です。

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これまで日本国内の多くの生命保険では、保険金の受取人が「配偶者」もしくは「2親等以内の親族」に限定されていたため、同性パートナーではなかなか利用することができませんでした。そのためライフネット生命の発表は、とてもインパクトがあるのです。

そこで早速、ライフネット生命の特設ページをチェックしてみました。

▼同性パートナーを保険金の受取人に
https://www.lifenet-seimei.co.jp/rainbow/

ライフネット生命には、割安な掛け捨てタイプの定期死亡保険【かぞくへの保険】という商品があります。この死亡保険金の受取人に、同性パートナーを指定することができます。
(※2015年11月4日のお申し込みから適用となります)

保険料の月額はいったいどのくらいになるんでしょうか。
例えば、IRISメンバーで最年長(34歳)の私の場合・・・

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■パターン1
保険金額:500万円
月額保険料:888円
(※保険期間が10年の場合)
(※相続税により実際に受け取る金額は440万円)

■パターン2
保険金額:1,500万円
月額保険料:2,164円
(※保険期間が10年の場合)
(※相続税により実際に受け取る金額は1,290万円)

(※算出サイト https://www.lifenet-seimei.co.jp/plan/

このように毎月1,000円~2,000円前後の負担で、ある程度まとまった金額を受け取ることが可能。もしものときにパートナーを支える保険として、頼りがいのある内容といえます。また上記の「かぞくへの保険」だけでなく、同社の終身医療保険「じぶんへの保険」や就業不能保険「働く人への保険」などで、契約者自身が給付金を請求する意思表示が困難であるなどの場合に、同性パートナーを代理として請求できる指定代理請求人に指名することもできるそうです。

ただし、以下のような注意点もあります。

■注意点1:相続税がかかります
同性パートナーは法定相続人ではないため、相続税がかかります。例えば死亡保険金額が【500万円】の場合、相続税が【60万円】かかるため、実際に受け取る額は上記のように【440万円】となります。
(※相続税額は、2015年11月時点の税制に基づいたデータです)

■注意点2:同居期間などの条件があります
同性パートナーを受取人に指定するためには、同居していることが条件となります。そのため手続きの際に同居を証明するための【住民票】が必要です。また同居期間や、戸籍上の配偶者の有無などの条件によっては、保険金額に上限が設けられたり審査が通らないこともあります。

ライフネット生命の特設サイトを見ていて、いくつか疑問も生じたため電話で問い合わせてみました。

Q1:同居期間が何年以上なら良いのでしょうか?
A1:お申し込み後、総合的な審査で判断するため、年数の基準は開示されていません。

Q2:保険金額に上限が設けられる場合、保険金額はいくらくらい?
A2:Q1同様、総合的に判断するため、上限金額の情報は開示されていません。

Q3:住民票以外で同居を証明することはできますか?
A3:住民票のみOK。免許証や郵便物などでは不可。渋谷区等、自治体のパートナーシップ証明書も不可。

Q4:同居していない遠距離カップルは申請できないのでしょうか。
A4:同居が条件となるため、対象外となります。

オペレーターの方に話をうかがうと、やはり発表当日はこの件に関するお問い合わせが多く、話題になっているようでした。しかしながらまだ新しい制度であることから、上記のような質問に対して都度確認をした上でのご回答でした。

最後にもう1つ、申し込むにあたり「パートナー関係に関する確認書」を提出するようになっています。これは「双方が合意のうえ、今後もパートナー関係を継続して営んで,いく意思を有しています」と書かれた書類で、そこにカップルそれぞれが自署・捺印するようになっています。婚姻届ではありませんが、改めて二人の気持ちを表明するのって新鮮ですよね!

以上、いかがでしょうか。同性カップルにとって、とても魅力ある保険商品だと思いますので、カップルの方はぜひ内容をチェックしてみてください。IRISでもLGBTsカップルの相談を受け付けておりますので、興味のある方はお気軽にご連絡くださいね!

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◎この記事を書いた人・・・池澤廣和
コミュニティーセンターhacoで写真展を開催したり、
「アジアンクィア映画祭」を福岡で開催したりしてきた
LGBTsのカルチャー系オーガナイザー。
本業はWebマーケティングや大学講師など。